脱サラ

  • 5人に1人が自己満に陥りやすい焼き鳥屋修行の甘い罠

    焼鳥屋開業は裏の裏まで理解しないと繁盛出来ませんホントに。

    そもそも飲食店独立開業を志したらまずは何からするの?

    料理のメニューのことは考えていたが、実際に何からやるのが良いのか…分からない。

    お客として焼鳥屋に来店していた頃はすぐ出来るだろうと安易に考えていたが…

    実は…私たちも飲食店開業を志した際、何をしたらいいのか?

    正直法人であるのにも関わらず全く分からずでした。とりあえず築地などに行ったものです。

    「私たちがまず始めにしたこと 

    当時、美味しいと感じた焼き鳥屋に週3通い続けながら、東京の台所築地に鶏肉を買いに行きました。

    発泡スチロールに氷詰めにして持ち帰り弊社代表の家の軒先で飲食店問屋街で

    買ってきた焼き鳥焼き器で焼いてみたのが始まりです。

    まぁ当然ですが…通い詰めた焼き鳥屋の味にはほど遠くバーベキューレベルの焼き鳥でした。

    味がこの程度だとすると…1,000万を超える店作りに投資をすること自体かなり危険なのではないか??お客様に自分たちが納得した味で商品を提供出来るまでどれぐらい掛かるのだろう…?

    内装が…メニュー…が制服が…ハード面ばかりに目がいっていたことを深く反省した時期です。

    焼鳥屋開業までの計画も当初は半年程度で見ていましたが、2年は準備と位置づけしました。

    「焼き鳥の味」「他に無い焼鳥屋」「他がやっていない焼き鳥の仕方」など焼き鳥屋として

    360度四方から鶏肉の銘柄選定、仕入れ先に始まり、一本あたりの重さ、一人あたりが食べれる本数、人によっての串の食べ方、仕込んだネタは冷蔵庫でそもそも保存していてよいのか?

    備長炭は国産?海外産?どちらがよいのかなど細かく1年を掛けて探求していきました。

    焼き鳥=1本ずつ個々に食べるなら寿司と一緒の食べ方でも良いのではないか??!

    タンパクな肉質な上、固くなりやすい焼き鳥は、そもそも大皿にのせて提供するスタイルが

    合っていないと考えたことからカウンターで1本ずつ寿司屋の大将スタイルで提供出来るカウンターを

    設計の基本と考えて内装の着手に入っていきました。

    女性は何本食べるのか? 男性は何本食べるのか? 平均は何本なのか?

    ハンバーグ、ステーキなら何グラムとオーダーしますよね。

    焼き鳥は1本で頼むので実際に食べているグラム数は皆知りません。

    ここを細かく調べ、食べているグラム数を出し、1本あたりのグラム数を設定しました。

    参考までに…ポイント入れておきます。

    1本40g/120円の串があるとします。平均8本食べたとすると320g/960円

    1本60g/240円の串があるとします。平均5本食べたとすると300g/1,200円

    食べれるグラム数の限界を知る。

    ココを注視し作り上げてきたことで15年以上常連ありきで商売が続けてこれているという証拠です。

    誰かの何処かの店に教えを求めていたら、もっと最短距離で「マネ」をした店は出来たと思います。

    私たちが今こうやって全国の元サラリーマンの方々が未経験の方でも繁盛、継続運営して頂けているのも、この始まりである0から1の部分が他のマネで始まったものではないからだったと思います。

    焼き台一つとっても買えば10万円でネットでも買えましたが、茨城県のある石の工場まで出向きより遠赤の密封度が高い焼き台が作りたい、備長炭自体、1500度まで上がるといっても全ての焼き台で上がる訳ではないということを知り、より高温になる設計でつくってもらいたいため、耐火煉瓦の組み合わせ、厚みなども変えてきました。

    初めに決めた「他に無い味、他に無い仕込み、見た目」まで来たところで、私たち自身の目利きも味以外の部分においては飲食店勤めの方よりも利益を残せる店作りの目を持てるようになっていました。

    実際に店をやっているのとこれからやろうとしているでは、現場の実際に起きていることは違うと思います。そこで改めて焼き鳥の焼き方を教わりに行くためサイトを検索し新宿にある某焼き鳥屋に50万円の修行費用を払い受講に行きました。初日の研修のスタートとしてアルミ缶に入ったアジシオと胡椒を仕込みした(特にこれといったノウハウは感じられない)串に塩を振り身が焼いて小さくなってきたら出来上がりと指導されました。そこで使用していた焼き台は一般の10万円前後の焼き台で、それまで幾度と石工場で職人と嫌々にも作りこんで頂いた焼き台との差(遠赤効果)は大きな差でした。

    この店での研修を通して焼鳥屋とはこんなに脆い商売なのかと…まして新宿の一等地で西口、南口で2店舗も50席相当の店をやっていけるのかと…参入障壁が低い業界とは知っていましたが誰でも簡単に参入出来る不安???が残る研修終わりでした。研修を終えこれからの時代さらに真似することが簡単になる時代が来るという不安もあり、商圏選定において、串焼きの味、席数の選定、景気に左右されにくい構造を損益シミュレーションに落とし込み採算計算していました。巷の焼き鳥チェーンよりも深く細かく他がそれは焼鳥屋には必要ないのではと思うようなことも含め事業計画に落とし練りこみました。

    そうして出来上がったのが「千串屋初台総本店」です。

    開店した日、私たちが串打ちし焼いた初めての 焼き鳥はどんな店よりも美味しく感じたことを今でも忘れません。この「0」を作れたからこそ今の時代の変化においても合わせていけるのだと思います。

    先日、昔研修を受けた新宿のお店の前を通ると綺麗なイタリアンのお店になっていました。

    今私たちの直営数は4店舗、加盟店数は80店舗を超えます。直営4店舗は全て地域の個性の違う、お客様の雰囲気、町の雰囲気、家賃の違う場所に構えています。これも全国でお店の出店をさせて頂く上でのマーケティングを兼ねての直営店作りを行っています。

    焼鳥屋と一括りに言っても時代の流れによって、大吉で儲かった時代があり、金の蔵で予約が取れない、鳥貴族で美味しい時代があります。

    では、これから開業する方にとっての焼鳥屋の時代はどのようなニーズを押さえないといけないのでしょうか?

    マクロでみると、雇用賃金の底上げ、働く人材の取り合い、物価の高騰、消費者の情報収集の手軽さ、SNSなど双方向の情報が気軽に見れる時代、

    この上だけみても、これからの飲食店を長く続けるヒントがあると思います!

    人生を変える飲食店創業は、お金の掛け方を間違えると取返しつきませんのでご注意を! 

    調理が出来るようになるのと、商売が出来るようになるのは全くの別物です。

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    「開業は情報と知識の数で概ね繁盛店の可否が決まります!」